ASKボールブッシュ専用軸の特徴
高い信頼性
ASKボールブッシュ専用軸は、長年にわたる製品技術の蓄積を背景として、材料、熱処理、歪修正、研削、旋剤、検査、出荷に至るまで、一貫した管理体制により生産されているので、高い信頼性をもっております。
優れた耐久性
リニアシャフトは耐摩耗性にすぐれた製品でなければなりません。
したがって厳選した材料の採用、高度な熱処理、及び加工技術による高い表面硬度と安定した硬化層が得られ、すぐれた耐久性を持つ製品として供給しております。
即納体制
ASKは、産業層の短納期化とそのニーズに対応するため、標準規格シリーズ(CS)の在庫をしておりますのでご活用下さい。
材質
高炭素クロム軸受鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼ボールブッシュの案内に使用する専用軸は、その外周をボールが転動するため、軸の表面は、ころがり軸受の軌道輪と同様に58-64HRCの充分な硬度を必要とします。
また、その硬さはころがり疲労にも十分耐えられるように安定した深さまで保たれることも必要なことから、厳選された高炭素クロム軸受鋼を使用しております。
耐食性を要する場合は、マルテンサイト系ステンレス鋼を採用し、食品化学、医療器具分野に幅広く使用されております。
熱処理
ASK専用軸は、当社長年の直動運動製品の開発、生産で獲得した経験が、高いノウハウとして熱処理技術に生かされ、円周、軸方向いずれにおいても均一に熱処理が施され、安定した硬度と硬化層を保証いたします。
精度
外径寸法
シャフトの外径寸法は、ボールブッシュの内径寸法許容差に対し、適切なスキマが得られるようになっています。特に精密な作動を必要とする場合は下表のh公差の上限に合わせて製作し、ボールブッシュと組み合わせることによりゼロスキマ、及び軽いプリロードを掛けることもできます。
このときに注意しなければならないことは、過大なプリロードがボールブッシュとシャフト間に発生しないことで、その確認方法として、シャフトまたはボールブッシュを指で軽く押したとき移動が生じなければプリロードのかけ過ぎと判断できます。
過大なプリロードが発生した状態でご使用されますと、低寿命の原因となりますのでご注意ください。
設計資料
たわみに関する計算
シャフトに負荷がかかりますと、一般にたわみが発生します。
その反力、せん断力、曲げモーメント、たわみ量、傾斜角の計算式を下記に示します。
軸方向の荷重を受けるシャフト
下図のように軸方向からの荷重を受けた場合の座屈荷重と座屈応力は、上記のオイラーの理論式より求めることが出来ます。nは、シャフトの端末条件により異なり、右表はその実験値であります。
たわみ計算例
条件1
使用シャフト :Φ20×550
ボールブッシュ :N-20VUU ×1個
有効ストローク :450mm
負荷 :5kg
固定方式 :シャフトサポートによる両端固定方式
・仕様簡易図
条件2
使用シャフト :Φ20×550
ボールブッシュ :N-20VUU ×2個
有効ストローク :450mm
ブッシュ間距離L2 :250mm
負荷 :5kg
固定方式 :シャフトサポートによる両端固定方式
・仕様簡易図
取付例
取付方法は適正なシャフト径を選定するに当たり、重要な項目です。
シャフトの取付方法としてよく使用される代表的なものを下図に示します。また、2本のシャフトを平行に取り付ける場合には1本のシャフトを正確に取り付け、これを基準に他の軸の平行度を出すようにします。
この2本のシャフト間距離は、マイクロメーターやダイヤルゲージを用い測定することが出来ます。
シャフトの取り付け誤差により、寿命に影響いたしますので充分注意して下さい。